鳥かごの鳥は幸せか。
鳥かごの鳥は果たして幸せかなのか。
鳥かごで生まれ、鳥かごしか知らない鳥が、鳥かごの中で一生を終えることがその子にとって、幸せなのかどうなのか。
わたしの答えはYesだ。
飼い犬だって同じ。
リードをつけずに自由に散歩させることが、果たしてその子にとって本当に幸せなのか。
そもそもそれは本当に自由なのか。
「アイドルでいてくれてありがとう」
よく聞く。
でもアイドルでいることを決めたのは向こうだ。
なんならファンはお金を払ってアイドルでいさせてあげている。ファンがいなければ向こうがどれだけアイドルでいることを望んでも無理なのだ。
小さいときからこの世界にいる彼らが、この世界から出ることが果たして本当に幸せなんだろうか。
この世界で見た綺麗なものも汚いものも全部含めてこの世界はすごい世界なんだと思う。
ここで言う「世界」は"芸能界"というより、"ジャニーズ事務所"の方がいいかな。
この世界でしか生きたことのない彼らだからこそ悩むのだろう。それは分かる、理解もできる。
嵐15周年の番組で、大野さんは嵐を辞めようと思ってて、辞めることをやめようと思ったのが10周年のときだったって言ってたことを思い出した。
それ聞いたとき、つい最近じゃねーかよ、って思ったよ。
10年続けてやってきても、10年一緒にやってきた仲間がいても「辞めよう」って気持ちが頭をよぎる、そういう世界なんだと思った。
もう1つ思い出した。
手越くんが少クラプレミアムで、脱退しようと思ったことがあるか?って質問にはっきり「ある」って答えてた。
「ロックが好きだから、ここにいたら自分のやりたいことができない」って、ニュアンスだけどそんなこと言ってた気がする。
「辞めたい」とか「辞めよう」とかそんなことが頭をよぎるのは普通のことなんだと思う。むしろそれが普通の感覚なんだと思ってる。
でも鳥かごから一歩外に出ちゃったらもう何者でもないんだよ。知らない世界を彷徨って、今までいた世界が幸せだったって思ったって遅いんだよ。
「1番遊びたいであろう青春時代をアイドルとして生きてくれてありがとう」
そう思うことはよくあるけれど、貴重な青春時代にたくさんの光を浴びることも普通の人ならあり得ないことで、人はいつだってないものねだりしてしまうことをちゃんと理解しておくべきだ。
鳥かごに閉じ込めてるわけじゃないんだよ。
鳥かごに入れて守ってるの。
リードをつけて縛ってるわけじゃない。
リードをつけて守ってるの。
その子の未来を守ってる。
一度でも「アイドルでいる」ことを決めた子たちを、アイドルでいさせるためにお金を払って居場所を守ってる。
それを窮屈だ、自由にしてほしいって思うのはとても正しい感覚だけれど、そこから本当に解き放たれることが良いことなのか、鳥や犬じゃなくて人間なんだから考えてほしいなって思ってしまう。
あらゆる考えを巡らせて、それらを全て天秤にかけてふるいにかけて、それでも譲れない何かがあったんだろうきっと。
あったとしたって間違ってるとしか思えない。
わたしはのぞむくんが好きだ。
のぞむくんにはずっとこの世界にいて笑っててほしいと思ってる。ずっと笑ってられるような世界でないことも、ここにずっといてほしいなんてエゴだと分かっていても、もうそこにいるしかないんだよって言いきりたい。
一度たくさんの光を浴びた人が、普通の世界に戻ることなんて出来ない。そう思うから。
のぞむくんがそこにいることを選んで、そこにいる覚悟を一度でも決めたから、わたしは応援してる。お金を払うことで彼を、彼の居場所を守る。
別に今度退所する彼を責めてるわけじゃない。
責める権利もないし、わたしは彼を一度も好きだと思ったことがないし、彼のことを知らないし、様々なジャニーズグループをちょこちょこつまみ食いしたけど、彼のグループだけは一度も食べなかったし、知らないことだらけで、そんなわたしが彼に言うことは何もない。言うつもりもない。
ただ、このことで自担を思ったんだよ。
まだ19歳の彼にはこれから先「辞めたい」と思うことが山ほどあるんだろうなって。
「辞めたい」とメンバーに言うこともあるかもしれない。
話し合いの末、なんとかここに留まることにして、そんなことを知る由もないわたしたちは呑気にいつも通り応援して、もっともっと何年かして「あの時実は…」みたいに聞くことがあるかもしれない。
そうだとしても、わたしは彼を縛ってるとは思ってないし、自由じゃないとも思わない。
不自由なことはあるかもしれないけれど、それは自由じゃないとは違う。
わたしの好きな彼はそのことを理解してくれてるだろうか、分かっててアイドルをしてくれてるのだろうか。
いい大人でさえ分からなくなるこの答えに、19やそこらの男の子に分かるのかなって…不安だ。
そう。不安。
不安になってしまったの。
目の前から突然いなくなることが。
いなくならないで。
今すぐ会いたい。
会って「辞めないでね、あなたの幸せはここにあるんだよ」って言いたい。
何回も何度でも「辞めないよ」って言ってほしい、言い切ってほしい。
でもただの凡人ヲタクにそんなこと許されるわけもなく、今日も明日も明後日も、ただひたすらお金を遣う。それしか出来ることがないから。
ヲタクはいつだって無力だね。
なーんにもできない。
ここで言ったことが決して大正解ではないのかもしれない。
でも今見えている様々なものを汲み取って、あらゆる考えを巡らせたうえでの、最良の答えだとおもってる。
なんだか悲しいね。
とても他人事には思えない。
明日は我が身な気がしてならない。
大事に大事に思ってくれる人がたくさんいるのになんで思いとどまれなかったんだろう。そんなことじゃ足りないのかな。そんなもんじゃ意味ないのかな。
もうこちらに出来ることなんてないのにね。
のぞむくんがすき。
この感情だけで突き動かされる行動だけでは足りないのかな?
アイドルとヲタクって切なすぎるだろ…
…なんて、ぼんやり考えてた深夜のお話。
明日起きたら書いたこと後悔しそうな記事だな…